せっかく採用したのに、すぐに辞めてしまった
面接のときに受けた印象と違った
採用ミスマッチの主な原因は、選考基準があいまいなまま、面接官の印象で合否を決めてしまうことと、仕事や職場の実態が候補者に伝わっていないことです。本記事では、2025〜2026年の調査データをもとに原因を整理し、実務で使える対策と、Nicopが支援した企業の事例を紹介します。
早期離職に悩む経営者や、採用ミスマッチを減らしたいとお考えの採用担当者は参考にしてください。
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採用ミスマッチとは?
採用ミスマッチとは、企業が求める人材と新入社員の認識にズレがある状態のことです。採用ミスマッチは、早期離職や業務効率低下などのリスクを伴います。
マイナビの転職動向調査2026年版(2025年実績)で、2025年に転職した正社員1,446名に面接時の想定と入社後のギャップを聞いたところ、「想定通りではなかった」と答えた割合が最も高かったのは「必要とされるストレス耐性」(26.1%)、次いで「自分と企業との相性」(23.9%)、「周りの社員の勤務態度・働くマインド」(23.1%)でした。現職に不満がある人に限ると、「自分と企業との相性」は59.1%にのぼります。

スキルや条件だけでなく、相性や職場の雰囲気のずれも、入社後の不満につながります。早期離職は求職者と企業の双方にとって大きな損失です。
採用ミスマッチの原因
ここでは、採用ミスマッチの原因を解説します。課題背景を知ると、採用体制を見直す際にも役立つので参考にしてください。
- 選考基準があいまい
- 採用の可否を主観で判断している
- 候補者に企業文化が伝わっていない
- 求人情報が実態と異なる
- オンボーディングが不十分
選考基準があいまい
採用戦略の段階で求める人物像が明確になっていないと、選考基準もあいまいになりがちです。
「どのような人物を採用するか」「何を評価の軸とするか」といった定義が不十分だと、現場が求める人物像とズレた人材を採用してしまうリスクがあります。
こうしたズレが、入社後に「企業文化に合わない」「現場が求めていた人物と違う」などのミスマッチにつながります。
採用の可否を主観で判断している
面接時の印象や相性など、感覚的な評価に依存してしまうこともミスマッチの原因となります。面接官の価値観や経験によって判断基準がばらつき、客観的な評価が難しくなるからです。
株式会社Nicop(調査実施時:株式会社RYOMA 採用プランニング事業部)が行った「採用判断に関する意識調査」(2025年7月16〜17日、中小企業の採用・人事担当者100名)では、採用判断で勘やフィーリングを用いた経験が「かなりある」「ややある」と答えた人は76%でした。そのうち90.8%が「採用した人材が入社後、イメージと違った」と答えています。

回答内訳は「かなりある」23%、「ややある」53%、「あまりない」17%、「全くない」7%でした(全回答者n=100)。入社後の認識差については、勘やフィーリングを用いた経験がある人n=76が対象です。調査期間:2025年7月16日〜7月17日。調査主体:株式会社Nicop(調査実施時:株式会社RYOMA 採用プランニング事業部)。
候補者に企業文化が伝わっていない
選考の過程で業務内容やスキル要件は細かく確認する一方で、企業の価値観や雰囲気などの要素は十分に共有されないケースがあります。
企業文化に対する認識のすり合わせが不十分だと、候補者が入社後に「思っていた職場と違う」とギャップを感じる要因となります。
求人情報と現場の状況が異なる
求人情報と現場の状況が一致していない場合、入社後にギャップが生じやすくなります。
たとえば、「自由な職場」と聞いてマイペースに働ける環境を想像していたのに、実際は服装こそ自由でも、成果を厳しく求められる職場だったということもあります。
採用を急いでいるときほど求人の文面が抽象的な表現になりやすいため、誤って伝わらないよう注意が必要です。
オンボーディングが不十分
オンボーディングとは、新入社員が職場に馴染みやすくするための取り組みのことです。業務に慣れるまでの支援が不十分だと、指示の曖昧さや相談しづらさから不安を抱えやすくなります。
入社後のフォロー体制が整っていないと、せっかく採用した人材が職場に適応できずに離職してしまうリスクが高まります。
伝えたいことが求職者に届いていますか?Nicopでは採用ブランディングガイドを無料配布しています。以下からダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください!

採用ミスマッチの対策法
ここからは、採用ミスマッチの対策法を解説します。
採用ミスマッチはさまざまな要因が絡んでいるケースが多く、企業によって背景は異なります。自社の状況を踏まえ、課題ごとに取り組むことが重要です。
- 採用戦略を設計する
- 求人情報を具体的に記載する
- 定量的評価の仕組みを整える
- 面接で職場の実態を共有する
- オンボーディングを計画的に実施する
採用戦略を設計する
採用戦略とは、どんな組織をつくっていくのかを見据えたうえで、「どんな人材を・どうやって採用するか」を設計する考え方です。この軸が曖昧だと採用活動全体に一貫性がなくなり、現場とのズレやミスマッチの原因につながります。

ターゲットとなるペルソナを明確にしたうえで、採用手法や媒体を選び、戦略に沿った採用活動を実行しましょう。
採用戦略については以下の記事も参考にしてください。
求人情報を具体的に記載する
求人情報には業務内容や職場環境を具体的に記載し、求職者に正確に伝わるようにします。
たとえば、「スキルアップできる職場」といった抽象的な表現ではなく、「1案件を3人のチームで担当」「月1回、上司と15分の1on1」のように、人数や頻度がわかる書き方にすると、実際に働く姿をイメージしやすくなります(例は書き方の例です。自社の事実に置き換えてください)。
また、入社後のギャップを減らすには仕事の魅力だけでなく、残業時間などの現実的な情報もあわせて伝えることも重要です。
定量的評価の仕組みを整える
面接官の感覚に頼った評価は主観の影響を受けやすく、誤った採用判断につながります。こうした主観的な評価を補うには、定量的な指標を取り入れることが効果的です。
たとえば、評価項目ごとに「何ができていれば何点か」を決めた評価シートを使うと、面接官による差が小さくなります。適性検査で性格の傾向を確かめる方法もありますが、結果だけで合否を決めず、面接で確かめる観点として使いましょう。

面接で職場の実態を共有する
面接は候補者を見極めるだけの場ではなく、企業と候補者が相互理解を深める場として設計しましょう。
そのためには、現場の仕事内容や雰囲気、人間関係などを具体的に伝え、候補者が実際に働く姿をイメージできるようにします。社員インタビューやオフィスの写真に加えて、現場社員との面談や内定前のオファー面談など、面接以外の接点をつくるのも効果的です。
事前に職場の実態を共有しておくと、入社前後のギャップが減らせます。
オンボーディングを計画的に実施する
オンボーディングは、新入社員の定着に効果的な取り組みです。早く業務に慣れてもらうことを目的とする従来の新人教育と異なり、長く安心して働き続けてもらうことを目的とします。
そのため、単に先輩が業務を教えるだけでなく、入社前の案内からOJT、定期面談までのプロセス全体を計画的に進めることが重要です。
新入社員の不安や「想像と違う」というズレを早い段階で修正でき、入社後のギャップによる早期離職を防ぐことにつながります。
採用ミスマッチの防止に役立つ手法
採用活動の現場では、ミスマッチのリスクを減らすためにさまざまな取り組みが必要です。ここでは、採用の精度を向上させるための具体的な手法を紹介します。
- 適性検査で事前に特性を把握
- 採用基準にもとづく構造化面接
- 採用ブランディングで認識をそろえる
- スカウトで自社に合う人材にアプローチ
- 人材紹介でマッチング精度の向上
適性検査で事前に特性を把握
適性検査とは、候補者の性格傾向や価値観、思考パターンを数値で可視化できるツールです。
Web形式またはペーパーテストで質問に答える形式で実施し、面接や履歴書だけでは見えにくい特性を確かめられます。職務内容や組織文化との相性を考える材料になりますが、判断は面接での確認とあわせて行いましょう。
採用基準にもとづく構造化面接
構造化面接とは、すべての候補者に同じ質問を行い、あらかじめ定めた基準に基づいて評価する面接手法です。質問内容を事前に設計することで、面接官ごとのズレを防ぎやすくなります。
同じ「採用判断に関する意識調査」では、面接官の間で評価のブレやバラつきを感じた経験がある人は64%でした(かなりある15%、ややある49%)。質問は職務に関係する内容に限り、本人に責任のない事項は聞かないようにしましょう。参考:公正な採用選考をめざして|厚生労働省

この結果から、多くの企業で属人的な採用判断が問題となっていることがわかります。構造化面接を取り入れると、面接官によって評価軸が異なるリスクが減り、一貫性のある採用につながります。
採用ブランディングで認識をそろえる
採用ブランディングは、自社の価値観・ビジョン・働き方を一貫したメッセージとして発信し、企業のイメージを形成・定着させる手法です。
自社の考え方や職場のリアルな雰囲気をあらかじめ伝えておくことで、求職者は自分に合うかどうかを事前に判断でき、ミスマッチを避けやすくなります。
採用ブランディングについては以下の記事も参考にしてください。
スカウトメールで自社に合う人材にアプローチ
スカウトメールは、自社の採用条件に合う求職者に直接アプローチできるダイレクトリクルーティングです。スカウトメールの送信段階でターゲットを絞れるため、選考でのミスマッチを減らしやすくなります。
とくに、スカウト文面に自社の働き方や企業文化を具体的に盛り込むことで、候補者自身も自分との相性を判断しやすくなり、入社後のギャップを防止できます。

人材紹介でマッチング精度の向上
人材紹介では、専門のエージェントが候補者の希望や経験を把握したうえで人材を提案してくれます。とくに中途採用では、スキルや経験だけでなく、転職理由や希望する働き方も入社後の定着に影響します。
たとえば「残業が少ない環境を希望」「現職の引き継ぎに時間がかかる」など、書類や面接だけでは見えにくい情報をエージェントが把握しているため、双方に無理のないマッチングが進みます。
採用ミスマッチを防いで成果が出た事例
Nicopが支援した企業で、伝え方や選考の進め方を見直して成果につながった事例を2つ紹介します。
メリットもデメリットも開示し、合う人に届く採用コンセプトで2名→78名に
株式会社Otaks様(SES企業・設立直後)|エンジニアの中途採用|支援:GrowSES(担当 影山)
Nicopは、Otaks様の企業コンセプトをもとに、採用コンセプト「好きに全振り」を言葉にしました。オタクのエンジニアを本気で募集していることが伝わるよう、求人原稿・バナー・トーン&マナーをそろえ、尖った部分を隠さずに打ち出しています。
代表の藤谷様は「メリットもデメリットも開示し、合う人にだけ深く刺さってくれる」と話しています。見出しや1スクロールで伝わる要約、採用プロセスの設計もあわせて見直し、2024年10月以降は月平均5.9名の採用が続いています。
事例の詳細:コンセプト“好きに全振り”の採用ブランディングで月5.9名・単価12〜13万円を実現
オファー面談で不安を解消し、経験者2名を採用単価18万円で
株式会社フレアド様(当時の従業員3名)|経験者エンジニアの中途採用
Nicopは、経験者が転職で重視する軸に合わせて求人原稿を書き直し、仕事内容・キャリアパス・企業文化を具体的に示しました。
あわせて、内定前にオファー面談を設けて候補者の疑問や不安をその場で解消し、面談ではスキルやキャリアに具体的なフィードバックを返す形に変更。その結果、経験者2名を採用単価18万円で採用しています。
事例の詳細:経験者の有効応募ゼロから2名採用へ。採用単価18万円を実現
※掲載の事例は、株式会社Nicop設立前にRYOMAグループの採用プランニング事業部(現・株式会社Nicop)が担当した支援を含みます。
よくある質問
面接で客観的に評価するには?
評価項目と基準を面接の前に決め、同じ職種の候補者には同じ質問をします。面接後は点数だけでなく評価の根拠を面接官同士で共有すると、主観に頼らない判断に近づきます。
採用ブランディングのやり方は?
自社の価値観・ビジョン・働き方を整理し、一貫したメッセージとして発信します。採用サイトやSNS、求人広告などのあらゆる媒体で、トーンやビジュアルを統一することが重要です。
採用ブランディングの進め方は以下の記事も参考にしてください。
採用ミスマッチ対策、何から始めればいい?
採用ミスマッチは複数の要因が絡むため、自社だけでの解決が難しいケースがあります。専門家に相談することがおすすめです。
Nicopでは、まず採用診断(2か月・全2回の打ち合わせ)で現状の課題と何から取り組むかを整理し、採用戦略の設計から求人票・スカウト・面接への展開まで一緒に進めます。
まとめ|採用プロセスを見直し、人材のミスマッチを減らそう
採用ミスマッチの要因は多岐にわたりますが、事前の対策によって防止することが可能です。企業によって課題の背景が異なるため、自社の状況を踏まえたうえで採用プロセスを見直す必要があります。
Nicopは、採用コンセプトとターゲットの設計から、求人票・スカウト・面接トークへの展開までを一緒に組み立てます。「面接の評価が面接官によって違う」「入社後に『思っていた人と違った』が続く」といったお悩みは、まず無料相談でどこが詰まっているかを一緒に見立てます。
採用ミスマッチにお悩みの企業は、お気軽にご相談ください。
お役立ち資料も無料配布中

組織コンサルタント
担当者阿形 敏也
経歴
新卒で半導体メーカーに入社し、新卒の採用チームに配属。
その後、RYOMAグループに正社員第一号として入社し、人材紹介のリクルーティングアドバイザー(企業の採用を担当)を3年経験。
現在は株式会社Nicopで、企業の組織づくりを支援している。






