採用ブランディングとは?成功事例や進め方を解説

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本記事でわかること
  • 採用ブランディングとは?
  • メリット・デメリット
  • 成功事例
  • 採用ブランディングの進め方
採用のプロが解説します!

最近よく聞く、採用ブランディングって何だろう?

本当にミスマッチが減るのかな…

採用ブランディングとは、自社の理念・仕事・人・働き方から「選ばれる理由」を言葉にし、求人やSNS、面接などすべての採用の接点で同じメッセージを伝える取り組みです。自社に共感する人からの応募が増え、入社後のミスマッチを減らせる一方で、成果が出るまでには時間がかかります。

帝国データバンクの2026年7月の調査では、正社員が不足している企業は51.3%でした。条件だけでは他社と差がつきにくいなか、自社に合う人を惹きつける方法として採用ブランディングに取り組む企業が増えています。

本記事では、採用ブランディングのメリット・デメリット、進め方の7つの手順を、Nicopが支援した成功事例とあわせて解説します。「応募者の質を高め、ミスマッチを減らしたい」と考えている人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

採用ブランディングとは?

採用ブランディングとは、企業の理念や文化、福利厚生などを整理し、魅力として言語化・ビジュアル化して発信することで、社内外に一貫性のあるイメージを形成・定着させる手法です。

そもそも「ブランディング」とは、自社のブランドに対する信頼や共通のイメージを築き、他社と差別化を図るための戦略を指します。これを採用活動に応用し、求職者に「この会社で働きたい」と思わせるように自社をブランド化するのが採用ブランディングです。

採用ブランディングの流れ:1 企業の強み・魅力、2 採用コンセプトに変換、3 採用施策に反映(求人・スカウト・面接・SNS・採用サイト)、4 企業イメージの形成

少子高齢化や働き方の多様化により、企業の採用競争は年々激しくなっています。
帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」(有効回答10,518社)では、正社員が不足している企業は51.3%で、前年同月の50.8%からさらに増えました。業種別では金融(67.1%)、建設(66.0%)、運輸・倉庫(65.6%)が上位です。

正社員が不足している企業51.3%(前年同月50.8%)、非正社員28.8%、業種別で最も高い金融67.1%(帝国データバンク 2026年7月調査)

こうした状況のなか、自社に合った優秀な人材を確保するために、採用ブランディングに取り組む企業が増えています。

採用ブランディングの考え方は、NicopのYouTubeチャンネル「採用と組織のNicop」でも発信しています。

採用ブランディングの5つのメリット

採用ブランディングには多くのメリットがあります。代表的なメリットは以下の通りです。

  • 採用ミスマッチの減少
  • 質の高い母集団形成
  • 採用コストの削減
  • 競合他社と差別化できる
  • 従業員のモチベーションが向上する

ここからは、それぞれのメリットを詳しく解説します。

採用ミスマッチの減少

採用ブランディングを行うと、求職者は企業の魅力や文化を事前に理解したうえで応募するため、採用ミスマッチが減少します。
入社後に「思っていた環境と違う」といったギャップを感じるケースが少なくなり、早期離職のリスクも軽減。企業の価値観やビジョンに共感する人材が集まるため、長期的に活躍できる人材の定着につながります。

質の高い母集団形成

採用ブランディングの強化によって、自社の理念や社風に共感する求職者からの応募が増えることが大きなメリット。
自社に魅力を感じない人は自然と離れていくため、応募の段階で適した人材が選別されます。単に応募数が増えるだけでなく、自社にマッチした人材が集まりやすくなり、質の高い母集団を形成できるのです。

採用コストの削減

ターゲット層からの応募が増えれば、求人を出しても応募が来ない状況を防げるため、不要な広告費をかける必要がなくなります。さらに、リファラル採用(社員紹介制度)や自社の採用サイトを通じた応募が増えることで、採用にかかる費用の負担を軽減。
適切な人材が集まりやすくなるため、選考にかかる時間や労力も削減され、採用活動全体のコストを抑えられる点がメリットです。

リファラル採用(社員紹介制度)は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください!

競合他社と差別化できる

自社の魅力や強みを明確にすることで、競合他社と差別化できます。
採用ブランディングの核となるのは、創業者の想いや価値観が反映された企業の理念です。これを軸にブランディングを行うと、自社ならではの魅力が際立ち、求職者に対して他社にはない独自の価値を伝えられます。
採用市場における競争力が高まり、求職者の心に残る企業として認知されやすくなります。

従業員のモチベーションが向上する

採用ブランディングは、新入社員だけでなく既存社員のモチベーション向上にもつながります。自社の魅力を発信する過程で、従業員自身が企業の価値や理念を再認識でき、企業への愛着や業務への意欲が高まるからです。
採用活動の枠を超え、社内のモチベーション向上や組織の活性化にもつながるため、長期的な企業成長にも欠かせない施策です。

株式会社Nicopでは、採用ブランディングについてわかりやすく解説した資料を無料で提供しています。採用課題の解決に役立つ情報が多数掲載されていますので、ぜひご活用ください。

無料資料:ゼロからの採用ブランディング設計ガイド

採用ブランディングのデメリット・注意点

採用ブランディングには以下のようなデメリットと注意点があります。事前に把握しておきましょう。

  • 企業全体で取り組む必要がある
  • 効果を実感できるまでに時間がかかる
  • 自社の弱みは伝え方を工夫する

企業全体で取り組む必要がある

採用ブランディングは、採用担当者だけでなく、現場の社員や意思決定者を含めた企業全体で取り組む必要があります。採用担当者と現場でターゲット像が異なると、適切な人材の確保が難しくなるからです。
たとえば、人事部が若手採用を重視する一方で、現場が即戦力を求めている場合、発信する情報がばらつき、採用ブランディングの効果を十分に発揮できません。
そのため、企業全体で採用に対する共通認識を持ち、一貫したメッセージを発信することが重要です。

効果を実感できるまでに時間がかかる

採用ブランディングは効果を実感できるまでに時間がかかる点がデメリットです。
自社の魅力や企業理念を社外に浸透させるには、継続的な情報発信が欠かせず、一定の期間を要します。しかし、ブランディングが定着すれば、応募者の質が向上し、採用コストの削減や選考の効率化といった大きなメリットを生み出します。
すぐに成果を求めるのではなく、長期的な視点で取り組むことが重要です。

自社の弱みは伝え方を工夫する

自社の弱みを隠すために、実際と異なる情報を発信すると、ギャップが生じて早期離職につながる恐れがあります。しかし、課題をそのまま伝えるだけでは、ネガティブな印象を与えかねません。
大切なのは、事実を正直に伝えつつ、前向きな視点で表現することです。
たとえば、「研修制度が整っていない」 という課題がある場合、「研修は少ないが、実務を通じて成長できる」と伝えれば、自主性を重視する人にとって魅力的に映ります。
課題を隠すのではなく、伝え方を工夫することで、ミスマッチを防ぎ、長く活躍できる人材を採用できます。

メリット
デメリット・注意点
  • 採用ミスマッチの減少
  • 質の高い母集団形成
  • 採用コストの削減
  • 競合他社との差別化
  • 従業員のモチベーション向上
  • 企業全体で取り組む必要がある
  • 効果が出るまでに時間がかかる
  • 自社の弱みは伝え方を工夫する

採用ブランディングの成功事例

Nicopが採用ブランディングを支援した事例を2つ紹介します。いずれも、支援前の状態・実施したこと・結果を、事例ページに掲載している内容にもとづいて記載しています。

採用コンセプト「好きに全振り」で、社員2名から78名に

SES企業(設立直後から支援)|エンジニアの中途採用|主なチャネル:求人広告

支援前
支援後
  • 設立直後で知名度がない
  • 採用方針は「オタク集まれ」のみ
  • 何から始めるべきか決まっていない
  • 社員数は2名から78名に(2025年10月時点)
  • 2024年10月以降、月平均5.9名を採用
  • 社員紹介(リファラル)も動き出した

設立直後で会社の知名度がなく、「本当に採用できるのか」という不安からのスタートでした。代表自身が「オタク」で、ゲームを通じた採用を試していましたが、求めるエンジニアに届く方針にはなっていませんでした。

Nicopは、企業とターゲットの理解から「1つのことに熱中できる人は、エンジニアに必要な集中力を持っている」という強みを見つけ、採用コンセプトを「好きに全振り」と決めました。求人原稿・バナー・トーン&マナーをこのコンセプトでそろえ、「誰に合い、誰に合わないか」を最初に示す原稿に。面談では代表が必ず一次面談を行い、社内イベントなどの交流を採用導線にもつなげました。その結果、2024年10月以降は月平均5.9名の採用が続き、社員数は78名になりました。

事例の詳細:コンセプト“好きに全振り”の採用ブランディングで月5.9名を実現

コンセプト設計から見直し、応募ゼロの店舗でも採用

小売企業(広島県内7店舗)|販売スタッフ(正社員・パート)|主なチャネル:ハローワーク・エンゲージ

支援前
支援後
  • 求人を出しても応募が来ない理由がわからない
  • 店舗ごとに応募数の差が大きい
  • 採用しても定着しない
  • 直近6か月で応募25件・採用6名
  • 応募ゼロだった店舗でも応募3件・採用1名
  • 管理職の意識が変わり、定着に向けた動きがそろった

いろいろな求人施策を試しても成果が出ず、「なぜ応募が来ないのか」「何から直せばいいのか」がわからない状態でした。店舗によって応募数に大きな差があり、応募がほとんど来ない店舗もありました。

Nicopは、幹部から現場のメンバーまで参加するコンセプト設計ワーク(匿名アンケートを含む)で、会社の強みと働く価値を言葉にしました。そのうえで、決めたコンセプトに沿ってハローワーク・エンゲージの求人票、応募の導線、写真を見直し、必要な店舗にだけ掲載を強める運用に変更。その結果、直近6か月で応募25件・採用6名となり、応募ゼロだった店舗でも採用が生まれました。

事例の詳細:コンセプト設計×求人改善で応募25件・採用6名

※掲載の事例は、株式会社Nicop設立前にRYOMAグループの採用プランニング事業部(現・株式会社Nicop)が担当した支援を含みます。

SNSを活用した採用ブランディングは、以下の記事で詳しく解説しています。

採用ブランディングの成功事例は、以下の記事でも詳しく紹介しています。

採用ブランディングの手順

ここからは、実際に採用ブランディングを行う手順を紹介します。

  • 求職者を理解する
  • 競合企業を分析する
  • 業界と職種の課題を把握する
  • 自社の強みを明確にする
  • ターゲットを設定する
  • 採用コンセプトを決める
  • 採用手法を決める

求職者を理解する

採用ブランディングを成功させるためには、求職者を理解することから始めましょう。
自社の魅力を一方的に発信しても、求職者が求める情報と異なれば十分な効果は得られません。求職者の視点に立つには、実際に自社の社員に入社理由をヒアリングすることが効果的です。とくに、転職活動中に重視したポイントや応募を決めた理由を聞くと、求職者が何を求めているのかを把握できます。

競合企業を分析する

採用ブランディングを進めるうえで、まず取り組むべきなのが競合企業の分析です。
競合の採用戦略や魅力を把握せずに進めると、自社の採用活動が埋もれてしまい、十分な成果を上げられません。競合とは同業他社に限らず、求職者が転職先として比較検討する他業界の企業も含まれます。
幅広い視点で分析を行い、自社の立ち位置や強み、差別化ポイントを客観的に把握しましょう。

採用の競合は同じ業界の会社だけでなく、求職者が仕事を探すときに比べて応募している会社すべて

業界と職種の課題を把握する

競合企業の状況を把握したあとは、業界や職種が抱える課題を整理しましょう。
離職率の高さや給与・労働条件の不満、業界に対するマイナスイメージなど、求職者が不安に感じるポイントを具体的に洗い出します。
これらの課題に対して、自社がどのように取り組んでいるかを伝えることで、「自社の魅力」として差別化に活用できるのです。

自社の強みを明確にする

これまでに整理した求職者のニーズ、競合企業の特徴、業界や職種の課題を踏まえて、自社の強みを明確にしましょう。
以下の4つの視点で分析すると、採用戦略の軸が見えやすくなります。

採用の4P:Philosophy(理念・目的)、Profession(仕事・事業)、People(人材・風土)、Privilege(働き方・待遇)

これらの要素を整理することで、求職者に伝えるべきポイントが明確になり、競合との差別化がしやすくなります。

ターゲットを設定する

ターゲット設定とは、「自社がどのような人を採用したいのか」を具体的に言語化することです。
たとえば、「営業ができる人」などの抽象的な表現ではなく、「法人での営業経験が3年以上ある人」といったように、経験やスキルを明確に設定するのがポイント。ターゲットを明確にすることで、採用活動に関わる社員全員が同じ人物像をイメージでき、共通認識が持てるようになります。

採用コンセプトを決める

採用コンセプトとは、採用活動全体の「軸」となる基本的な考え方のことです。採用ブランディング成功のためには、コンセプトの設計が欠かせません。
採用コンセプトは、自社の強みとペルソナが重視するポイントを掛け合わせて作ります。
コンセプトがないと、採用担当者ごとに伝える内容にばらつきが生じてしまいます。
明確なコンセプトを設定することで、求職者に統一感のある情報を届けられ、企業の魅力を一貫して発信できるのです。

採用手法を決める

採用コンセプトが固まったら、それをもとに採用フローを構築し、具体的な採用手法を決定します。 ペルソナ、予算、期間、工数などを総合的に考慮し、自社に最適な手法を選ぶことが重要です。

株式会社Nicopでは、各採用手法の特徴や選び方をわかりやすく解説した資料を無料で提供しています。ぜひご活用ください。

無料資料:採用設計支援サービス概要資料

よくある質問

採用マーケティングとの違いは?

採用マーケティングと何が違うの?

採用ブランディングと採用マーケティングは、ターゲットや目的、施策内容が異なります。以下は違いを比較した表です。

採用ブランディング採用マーケティング
目的一貫した企業イメージを定着させる採用プロセスを最適化する
ターゲット社員・求職者・企業の関係者求職者(採用ターゲット)
主な施策競合分析、自社理解、採用コンセプトの設計採用ペルソナの設計、カスタマージャーニーの作成、施策の選定

採用ブランディングは、自社の魅力を明確化して一貫したイメージを形成する取り組みです。一方、採用マーケティングは、採用ブランディングで整理した魅力を、ターゲットに効率良く届けるための施策や仕組みづくりを指します。
つまり、採用ブランディングが土台にあることで、採用マーケティングが効果的に機能するのです。

採用ブランディング・採用マーケティングの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

採用ブランディングが向いている企業は?

採用ブランディングって、自社でも効果あるのかな…

採用ブランディングは、どの業界にも活用できますが、特に効果が出やすいのは労働集約型の企業です。たとえば、以下のような業界が該当します。

  • SES業界
  • 飲食業界
  • 介護業界
  • タクシー業界
  • 接客・販売業界

これらの業界では人材不足が深刻で競争も激しく、給与や仕事内容だけでは他社と差別化しにくい課題があります。そのため、採用ブランディングで自社の理念や独自の魅力を明確に発信することが重要です。

費用はどのくらいかかる?

実際どのくらい費用がかかるか教えてください!

採用ブランディングにかかる費用は、企業の規模や課題、施策の内容によって異なりますが、おおよそ100万〜300万円が一般的な目安です。

Nicopの採用の設計では、採用コンセプトの設計から、求人・スカウト・面接への反映まで、企業の状況に合わせて支援しています。採用ブランディングをご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ|採用ブランディングを実施して採用活動を成功させよう

本記事のまとめ
  • 採用ブランディングとは、魅力を明確化してイメージを浸透させること
  • 企業の価値観に共感する人材が集まり、ミスマッチを削減できる
  • 成果を出すには、戦略的な設計と継続的な情報発信が不可欠

ただし、コンセプトを決めても、求人や面接で伝える内容がそろっていなければ効果は出ません。強みの棚卸しから、全ての接点への反映まで、順番に進めることが大切です。

Nicopは、採用コンセプトの設計から求人・スカウト・SNSでの発信まで、企業と一緒に採用ブランディングを進めています。採用活動にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お役立ち資料も無料配布中

無料資料:ゼロからの採用ブランディング設計ガイド
無料資料:中途採用手法大全 14の採用手法マニュアル 2026年版
無料資料:エンジニア採用媒体10選 2026年版
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影山のえ

株式会社Nicop 代表取締役

影山 のえ(かげやま のえ)

経歴

新卒で大手求人広告会社に入社し、360名の中から新人賞を受賞。
採用支援会社では全社MVP。その後、教育系SaaS企業で人材育成コンサルティングと自社人事の双方を経験。

採用の「入口」から入社後の育成・定着までを一貫して手がけ、
株式会社Nicopを設立。

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