面接では良い印象だったのに…
採用したものの、現場に合わなかった…
採用ミスマッチの大きな原因は、面接官の印象や直感に頼った「フィーリング採用」です。株式会社Nicop(調査実施時:株式会社RYOMA 採用プランニング事業部)が行った「採用判断に関する意識調査」(2025年7月16〜17日、中小企業の採用・人事担当者100名)では、76%が採用判断で勘やフィーリングを用いた経験があり、そのうち90.8%が「採用した人材が入社後、イメージと違った」と答えました。本記事では、調査結果をもとにミスマッチが起きる理由と、フィーリングに頼らない採用の進め方を解説します。
面接で伝えることと確かめることを整理した「“惹きつけ”と“見極め”の面接術」を無料で配布しています。面接の進め方を見直したい方はご活用ください。

採用のミスマッチが起きるのはなぜ?
採用の現場では、面接時には分からなかった要素が入社後に明らかになり、早期離職につながるケースがあります。
株式会社Nicop(調査実施時:株式会社RYOMA 採用プランニング事業部)が行った「成長ベンチャー企業の採用実態調査」(2025年6月24〜30日、成長ベンチャー企業の経営者101名)で、「採用しても1年以内に離職してしまう」を課題に挙げた22名に原因を聞いたところ、最も多かったのは「面接における見極めができていない」(77.3%、複数回答)でした。

採用基準があいまいなまま進めると、判断が面接官の主観に左右されやすくなり、入社後のミスマッチを招きます。
ここでは、採用ミスマッチが起きる主な原因を詳しく解説します。
- 印象に左右されて正しい評価ができない
- 面接だけではカルチャーフィットが見えない
- 候補者の自然な姿が見えにくい
この調査の全体は、「成長ベンチャー企業の採用実態調査」として無料で配布しています。採用の悩みと判断の実態を、自社の課題の整理にご活用ください。

印象に左右されて正しい評価ができない
面接官は面接で、候補者の印象に影響を受けて採用の可否を判断します。
「類似性バイアス」とは、自分と似た背景や価値観を持つ候補者を無意識に好む傾向のことです。同じ「採用判断に関する意識調査」では、56%が類似性バイアスに思い当たる経験があると答えました(かなりある16%、ややある40%)。

しかし、「話しやすかった」「緊張で表情が硬かった」などの要素は、必ずしも実際の仕事の姿勢と合致するわけではありません。
そのため、印象で採用を決めた結果、「思っていた感じの人と違っていた」というミスマッチが起きるのです。
面接だけではカルチャーフィットが見えない
採用のミスマッチを防ぐには、候補者の働き方に対する志向を把握する必要があります。また、候補者にも自社の企業文化を理解してもらわなければなりません。
限られた面接の時間の中で、志望動機やスキルの確認に加えて、企業側が自社の魅力を伝える時間も必要です。成長ベンチャー企業の経営者を対象にした先の調査でも、採用の課題を感じている61名のうち14.8%が「カルチャーフィットを見極める基準が不明確」と答えています(複数回答)。
面接だけでカルチャーフィットまで十分に見極めるのは、簡単ではありません。
候補者の自然な姿が見えにくい
候補者は面接で自分をより良く見せようとします。笑顔を保つように意識したり、模範解答で応じたりと、普段の自然な姿と異なる言動をすることもあります。
同じ「採用判断に関する意識調査」では、「面接で嘘をつかれた経験がある」と答えた人が68%にのぼりました(かなりある15%、ややある53%)。具体的な内容で多かったのは「志望度を高く見せていた」(36.3%)、「性格や価値観を偽っていた」(29.7%)、「実際よりも高いスキルや経験を持っていると偽っていた」(24.2%)です(n=91、複数回答)。

候補者が偽った返答をしている場合、本来の性格や行動傾向とのギャップが生じる可能性があります。こうしたズレを見抜けないまま評価が進むと、入社後にミスマッチが起きやすくなるのです。
この調査の全体は、「フィーリング採用の落とし穴」として無料で配布しています。直感で採ると何が起きるのかを、調査データで確かめられます。

フィーリングに頼らない採用を実現するには
フィーリング採用とは、「なんとなく合いそう」「一緒に働きたいと感じる」といった直感(フィーリング)で採用を決めることです。
同じ「採用判断に関する意識調査」では、採用判断で勘やフィーリングを用いた経験がある人は76%でした。

回答の内訳は「かなりある」23%、「ややある」53%、「あまりない」17%、「全くない」7%です(n=100)。
また、勘やフィーリングを用いた経験がある76人のうち、採用した人材が入社後に「イメージと違った」と感じた割合は90.8%でした。直感で決めるほど、入社後のずれに気づきにくくなることがうかがえます。
ここからは、フィーリングに頼らずに採用を進める対策法を紹介します。
- 面接の評価基準を明確にする
- 適性検査で特性を可視化する
- 面接以外の接点で、お互いの理解を深める
面接の評価基準を明確にする
フィーリングに頼らない採用の第一歩は、面接の評価基準を決めておくことです。たとえば、同じ職種の候補者には同じ質問をし、決めた基準で評価する「構造化面接」を取り入れると、主観に左右されにくくなります。質問は職務に関係する内容に限り、本人に責任のない事項(家族や出身地など)は聞かないようにしましょう。参考:公正な採用選考をめざして|厚生労働省
同じ「採用判断に関する意識調査」では、面接官の間で評価のブレやバラつきを感じた経験がある人が64%でした(かなりある15%、ややある49%)。評価が面接官ごとの判断に任されている企業が多いことがわかります。

採用を構造化する仕組みがないと面接官の主観に影響されやすくなり、採用ミスマッチのリスクが高まるのです。
適性検査で特性を可視化する
適性検査では、質問や課題に対する反応をもとに思考パターンを分析できます。
これにより、面接や履歴書だけではわからない行動特性を確かめられます。「決断が速い」「慎重で正確」などの傾向がわかれば、配属先の仕事との相性を考える材料になります。ただし、結果だけで合否を決めず、面接で確かめる観点として使いましょう。
業務との相性を事前に見極めることで、採用のミスマッチを防げます。
面接以外の接点で、お互いの理解を深める
候補者は面接で自分をよく見せようとするため、面接だけでは普段の姿が見えにくくなります。カジュアル面談、現場社員との面談、内定前のオファー面談など、面接とは別の接点をつくると、候補者の本音や価値観を知る機会が増えます。
企業側にとっても、仕事内容や職場の実情を正直に伝える場になります。入社前に不安や疑問を解消しておくことで、「思っていた会社と違った」というずれを防げます。
面接の進め方を変えてミスマッチを減らした事例
Nicopが支援した企業で、面接の進め方を見直して成果につながった事例を3つ紹介します。いずれも事例ページで詳細を公開しています。
オファー面談を取り入れ、経験者2名を採用単価18万円で
株式会社フレアド様(当時の従業員3名)|経験者エンジニアの中途採用
フレアド様は、面接フローが明確に決まっておらず、内定を出しても辞退されるケースがありました。
Nicopは、内定を出す前にオファー面談を設けて候補者の疑問や不安をその場で解消し、面談ではその人のスキルやキャリアに具体的なフィードバックを返す形に変えました。求人原稿とスカウトの見直しとあわせて、経験者2名を採用単価18万円で採用しています。
事例の詳細:経験者の有効応募ゼロから2名採用へ。採用単価18万円を実現
「面接をしない面接」で価値観を深掘りし、応募1,300件から採用
株式会社Stech&Co.様(SES企業・創業直後)|エンジニアの中途採用
経験者エンジニアの一次面談には代表が必ず入り、雑談を中心に価値観や志向を深掘りする「面接をしない面接」にしました。必要に応じて現役エンジニアが同席し、技術面の納得感も補っています。
採用コンセプトの策定や、求人とスカウトの二段構えの運用とあわせて、応募は1,300件にのぼり、平均採用単価18万円で入社が続いています。
事例の詳細:GrowSES導入で応募1,300件|創業直後でも“再現性ある採用”はつくれる
MVVを言葉にし、共感した人からの直接応募が3倍に
株式会社Euphonauts様|エンジニアの中途採用|支援:採用コンサルティング・MVV設計
Nicopは、ビジネスモデルや強み、ペルソナを理解したうえで、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の設計を支援しました。
会社が大切にする価値観を先に伝えることで、MVVに共感した人が自ら応募するようになり、自社サイトからの直接応募は3倍、採用承諾率は67%に向上しています。
事例の詳細:長期的な支援で採用承諾率67%を実現した事例
※掲載の事例は、株式会社Nicop設立前にRYOMAグループの採用プランニング事業部(現・株式会社Nicop)が担当した支援を含みます。
Nicopの採用設計支援
Nicopは、採用コンセプトとターゲットの設計から、求人票・スカウト・面接への展開までを一緒に組み立てます。面接については、決めた採用基準と伝える内容を、面接トークや面接で使う資料に落とし込むところまで支援しています。
- 採用診断(2か月・全2回の打ち合わせ):現状の課題、候補者体験マップ、何から取り組むかの道筋をレポートで納品
- 採用戦略設計:ターゲット設計・採用計画・メッセージ設計
- 現場への展開:求人票の見直し、スカウトのライティング、面接トーク・資料の設計
「面接の評価が面接官によって違う」「入社後に『思っていた人と違った』が続く」といったお悩みは、まず無料相談でどこが詰まっているかを一緒に見立てます。
よくある質問
フィーリング採用は、すべてやめるべきですか?
直感をすべて否定する必要はありません。大切なのは、直感だけで合否を決めないことです。評価項目と基準を先に決め、直感で感じた違和感は「どの項目の、どんな回答から感じたか」を記録して、面接官同士ですり合わせましょう。
面接官による評価のブレを減らすには?
評価する項目と基準を面接の前に決め、同じ職種の候補者には同じ質問をします。面接後は、点数だけでなく評価の根拠を面接官同士で共有すると、判断のぶれが小さくなります。
面接で候補者の本音を知るには?
面接の場だけで見極めようとせず、カジュアル面談や現場社員との面談、オファー面談など接点を増やすのが効果的です。企業側も仕事の大変な面まで正直に伝えると、候補者も本音を話しやすくなります。
まとめ|フィーリングに頼らない採用でミスマッチを防ぐ
「印象が良かった」「話しやすかった」といった直感による判断は、面接官の主観に左右されやすく、採用ミスマッチのもとになります。評価の基準をそろえ、面接以外の接点も使ってお互いを知ることで、入社後のずれは減らせます。
「良い人だと思ったのに早期離職してしまった」「採用したら思っていた人と違った」など、採用判断にお悩みの方はお気軽にご相談ください。
お役立ち資料も無料配布中

組織コンサルタント
担当者阿形 敏也
経歴
新卒で半導体メーカーに入社し、新卒の採用チームに配属。
その後、RYOMAグループに正社員第一号として入社し、人材紹介のリクルーティングアドバイザー(企業の採用を担当)を3年経験。
現在は株式会社Nicopで、企業の組織づくりを支援している。



