採用代行と採用コンサルの違い|費用の決まり方と選び方

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採用が進まないとき、「採用代行と採用コンサルのどちらに頼むべきか」で迷うことがあります。採用を他の業務と兼務していると、方針を考える時間も、日々の対応を進める時間も足りなくなりがちです。

選ぶ手がかりは、何を決められていないのか、何を実行できていないのかを分けることです。この記事では両者の違いを比較したうえで、社内と外部の役割を整理します。相談前に確認する項目も分かる内容です。

結論:採用代行は採用業務の運用・実行、採用コンサルは採用方針・基準・仕組みの設計と改善を担います。

  • 採用要件や選考基準が曖昧 → 設計から始める
  • 方針は決まったが対応が滞る → 運用を立て直す
  • 両方が止まっている → 設計と運用を一体で見直す

Nicopの前身部門が支援した士業の事例では、事務職・測量士の採用枠で1年以上採用0名が続きました。採用要件・求人・媒体運用を見直し、2024年10〜12月に3名を採用しています(事例を見る)。

採用のどの工程から見直すべきか分からない場合は、募集職種・採用目標・現在の媒体を伺い、優先する工程を一緒に整理します。初回相談のために資料を揃える必要はありません。

採用代行と採用コンサルの違い

採用代行は、採用業務の運用・実行を担う支援です。採用コンサルティングは、採用方針や仕組みの設計・改善を担います。両者を分ける軸は、いま自社に不足しているのが運用体制か、方針や基準かという点です。支援範囲が重なる場合は、見積もり時に担当工程を確認します。

比較する点 採用代行(RPO) 採用コンサルティング
一言でいうと採用業務を運用・実行する採用方針や仕組みを設計・改善する
支援の中心採用プロセスの運用・管理課題整理と採用方針・基準の設計・改善
業務の例求人媒体の運用、スカウト送信、応募者対応、面接日程の調整採用要件の整理、手法の選定、選考基準や進め方の設計
向いている状態運用体制を補いたい。プロセスの管理も任せたい応募者とのずれや選考の課題があり、方針を見直したい
費用の決まり方担当工程・作業量・支援期間で費用が変わる。月額型や成果連動型がある調査・設計・改善の範囲と支援期間で費用が変わる
効果を見る時点稼働後に、応募対応の速さや運用量から変化を測る設計した方針を運用し、応募・選考の変化から効果を測る
社内に残るもの運用記録、求人・スカウト文面、応募対応フローが引き継ぎの対象になる採用要件、選考基準、求人原稿、改善計画が引き継ぎの対象になる
依頼前に明確にすることどの業務を、誰の名義と権限で、どこまで任せるか何を決めたいか、提案を誰が承認し、誰が実行するか
社内に必要な関与進捗の確認、候補者への約束や採用判断の確認事業・現場の情報提供、方針の決定、施策の実行または実行体制の確保

たとえば、募集したい人材と使う媒体は決まっているのに、応募者への返信が滞っているなら、実行体制を補う話が先です。一方、求人を出しても求める人材と応募者がずれるなら、業務量を増やす前に募集要件や伝え方を見直す余地があります。

採用代行がプロセス設計まで担い、採用コンサルが運用まで担う形もあります。サービス名より、誰が方針を決め、誰が実行するかで比べてください。

採用代行に任せる業務と費用の決まり方は「RPO(採用代行)とは?」、SES企業の導入事例は「SES企業のRPO(採用代行)導入事例」、採用コンサルの支援内容は「採用コンサルティングとは?」で詳しく解説しています。

人材紹介との違い

人材紹介は、紹介事業者が求人企業へ求職者を紹介するサービスです。採用代行は企業の採用プロセスを運用し、採用コンサルは方針と仕組みを設計します。自社の募集や選考を改善したいなら、紹介人数だけでなく採用プロセスの課題を見てください。

比較 人材紹介 採用代行・採用コンサル
主な役割紹介事業者が求職者を紹介する自社の募集・選考の実行や設計を支える
確認する点紹介対象、料金発生条件担当工程、成果物、媒体費と支援費の区分

費用は何で決まる?

費用はサービス名だけでは決まりません。業務範囲、作業量、支援期間、媒体費を分けることが比較の基本です。

採用代行では、スカウトや応募者対応などの対象工程、作業量、期間を確認します。採用コンサルでは、分析・設計・定例改善と実行支援の範囲を揃えます。見積もりでは次の条件を並べてください。

比較する条件 確認すること
初期費用要件整理や運用立ち上げが支援費に含まれるか
追加対応費職種・媒体・対応件数を増やすと費用が変わるか
最低契約期間・解約条件いつ見直せるか、途中で範囲を変えられるか
求人媒体費掲載費・運用費と支援費の区分
自社に残る工数原稿承認、面接、採否判断、定例会に必要な時間

これは見積もりを比べるための確認項目で、Nicopの料金条件を示すものではありません。金額は依頼範囲を整理したうえで個別の見積もりを確認してください。

自社に必要な支援を見分ける3つの問い

自社に必要な支援を見分ける手がかりは、次の3つの問いです。課題が設計と実行の両方にあれば、支援を組み合わせる選択肢もあります。

1. 採りたい人と、選ぶ基準は決まっているか

「現場が求める経験」と「経営側が期待する役割」が食い違うなら、まず採用要件を揃える必要があります。募集要件が曖昧なままスカウトの送信数を増やしても、誰に何を伝えるべきか判断しづらい状態です。採用設計や選考基準の整理が出発点です。

2. 決めた採用業務を、予定どおり進められているか

求人の更新、スカウト、応募者への返信、面接調整が兼務業務に押されているなら、実行の人手と運用方法を確認します。方針は決まっていても採用業務が予定どおり進まない場合、採用代行で任せる工程を検討できます。

3. 結果を見て、次の打ち手を決められているか

運用は続いていても、どこで応募や選考が止まるのか分からなければ改善しにくいものです。応募数に加え、候補者とのやり取りや選考の進み方を振り返ります。結果を踏まえて方針を直し、日々の実行につなぐことが必要です。設計と実行を別々に頼むか、両方を扱う支援を選ぶかも比較します。

3つの問いで見えた状態 先に検討する支援
採りたい人や選ぶ基準が決まっていない採用要件や選考基準の設計
方針はあるが、日々の業務が滞っている止まっている工程の実行支援
運用はしているが、結果を次の施策に反映できない課題分析と運用改善をつなぐ支援

複数の状態に当てはまるなら、支援を選ぶ順序と担当範囲が相談時の確認事項です。

5項目のセルフチェック

次の項目で、どこが止まっているかを確かめてください。該当数の多さだけで支援を決めず、最初に解消すべき項目を選ぶのが要点です。

確認すること 該当したときの検討先
採りたい人の条件を現場と経営で共有できていない設計
応募者を評価する基準が担当者ごとに違う設計
求人更新やスカウトが予定どおり進まない実行
応募後の返信や面接調整が滞る実行
応募・選考の数字を見ても次の打ち手が決まらない設計と実行の接続

設計側が当てはまれば方針の確認から、実行側が当てはまれば止まった工程の切り出しから始めます。両方に該当する場合は、設計と運用の接続が相談の中心です。

採用プロセスを自分で点検したい方へ。「中途採用プロセス 見直しチェックシート」では、戦略・母集団・選考・求職者体験・入社・改善の6領域24項目を確認できます。

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外部に任せることと社内で決めること

外部支援を入れるときは、「どの工程を任せるか」と「何を自社が判断するか」を分けます。次の表を使って、募集から振り返りまでの役割を整理してください。

採用工程ごとに、自社の判断と外部へ相談できる作業を分けた役割分担図
採用工程 社内で決める・確認すること 外部へ相談できる作業の例
募集の準備事業上必要な役割、採用の優先順位、処遇の条件採用要件の整理、求人原稿や採用メッセージの設計
候補者との接点伝えてよい条件、候補者への約束、対応方針媒体運用、スカウト送信、応募者への連絡
選考評価基準、面接担当、採用・不採用の判断方法日程調整、選考フローや評価項目の整理、面接運営の支援
振り返り何を成果とするか、次に変える方針進捗の集計、課題の分析、改善案の提示と運用

表の右側をすべて任せる必要はありません。最初は返信や日程調整に絞り、改善の打ち合わせを加える方法もあります。求人の対象や評価基準が定まっていないなら、設計からの相談が候補です。

採用代行と採用コンサルを併用するときの役割分担

両方を使う場合は、方針を承認する人、運用する人、共通で見る指標、改善を決める場を決めます。たとえば経営者と現場が採用要件を承認し、外部が媒体や応募者対応を運用する形です。応募数だけでなく、求める人の応募や選考の進み方を定例で確認し、変更を誰が決めるかまで合意します。1社にまとめて頼む場合も、2社を併用する場合も同じです。

公開事例から見る、設計と実行のつなぎ方

3件の事例では、採用要件・訴求・媒体運用のどこを変えたかを比べます。自社に似た課題があれば、成果の数字に加えて実施内容を確認してください。

課題タイプ・企業 支援前 打ち手 公開された結果
募集要件の整理/士業・従業員28名事務職と測量士の対象枠で1年以上採用0名採用要件、求人、媒体運用をつなげて見直した2024年10〜12月に3名採用。事例を見る
経験者への訴求/IT・広告系・公開時4名1回の求人掲載で約60応募があったが、求める経験を持つ人からの応募はほとんどなかった原稿、スカウト文面、面接フローを見直した経験者2名採用、公開元記載の採用単価18万円。採用期間と費用の算定範囲は非公開。事例を見る
兼務担当者の運用改善/SES・公開時22名採用担当が他業務と兼務し、同じスカウト文面を送っていた訴求を整理し、15種類のスカウト文面を用意したtype経由でエンジニア6名採用、公開元記載の採用単価約15万円。採用期間と費用の算定範囲は非公開。事例を見る

※3件はNicopの前身にあたる株式会社RYOMA採用プランニング事業部の支援事例です。成果は当時の職種・媒体などの条件によるもので、採用単価2件の算定範囲は公開元に記載がないため比較できません。

この3件を自社に当てはめるなら、確認する点は次のとおりです。複数の施策を行った事例の成果を、一つの施策だけの効果とは判断できません。

似た状態にある場合 自社で確認すること
募集を続けても採用できない求める人物像、求人の伝え方、媒体運用が同じ方針につながっているか
応募はあるが経験者が来ない応募総数と、求める経験を持つ人からの応募を分けて見ているか
スカウトを送っても反応が乏しい送信量だけでなく、対象ごとの訴求と文面を見直しているか

自社の職種や採用目標に置き換える際は、過去事例の数字だけで判断しないことが大切です。30分の初回相談で、現在の条件と優先して直す工程を一緒に整理します。

依頼前に確認する4項目

採用代行でも採用コンサルでも、依頼前にはサービス名より担当範囲と進め方を確認します。次の4項目が、提案を比較する基準です。

採用業務の委託では、連絡や募集を誰の名義と権限で行うかも確認します。委託内容によって職業安定法上の扱いが変わり得ます。契約前に業務範囲を整理し、許可・届出の要否を専門家や管轄の労働局に確認してください。厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」の委託募集の項目も参照できます。

1. どの業務を、どこまで担当するか

「スカウト支援」に文面作成、候補者の選定、送信、返信対応のどこまで含むかを確認します。求人媒体の運用も、掲載後の更新や改善提案まで含むとは限りません。担当する業務と対象外の業務を、工程ごとに書き出すのが有効です。

2. 誰が連絡し、誰が判断するか

日々の窓口、候補者への連絡名義、承認が必要な事項、報告の頻度を確認します。とくに処遇の提示や選考結果の連絡では、誰が判断し、誰が伝えるかを決めておくことが大切です。

3. 進捗からどう改善するか

進捗の報告だけで終わらず、何を見て改善するかを確かめます。応募の状況、候補者の反応、選考の進み方をどう共有するか。施策の変更を誰が決めるか。ここまで話しておくと、設計と運用をつなぎやすくなります。

4. 何を成果物として残すか

要件定義、求人原稿、スカウト文面、運用記録、改善履歴のうち、何を成果物として共有・引き継ぎできるかを確認します。委託終了後に社内で何を続けられるかも判断材料です。

設計と実行の両方に課題がある場合

採用する人材像が定まらず、日々の運用にも手が回らない場合があります。このように設計と実行の両方に課題があるなら、一体で検討すると方針を現場の作業につなげやすくなります。必要な範囲は企業の体制と採用状況で変わるため、個別の確認が必要です。

Nicop(株式会社Nicop)では、採用設計から採用実行・運用まで支援しています。採用設計では採用ブランディング、採用コンセプト、採用戦略を扱います。採用実行・運用は求人広告、ダイレクトリクルーティング・スカウト代行、応募者対応・日程調整、採用広報などが対象です。面接の実施と合否の判断は、自社で行っていただく形です。Nicopは日程調整に加え、評価項目の整理など面接の進め方の設計を支援します。面接当日の支援(同席や面接官との事前すり合わせなど)をどこまで行うかは、相談時の個別の取り決めです。

Nicopの初回相談では、止まっている工程を対話で確認し、必要な支援範囲と体制の提案につなげます。資料の準備は不要です。求人原稿や選考の進捗が分かれば、その場で共有してください。

よくある質問

比較表と費用欄で扱った内容以外に、依頼時に迷いやすい点をまとめました。

人材紹介と採用代行はどう違いますか?

人材紹介は人を紹介する支援、採用代行は自社の採用プロセスを運用する支援です。自社の求人媒体や応募者対応を改善したいなら、採用代行で任せる工程を確認します。料金は紹介手数料だけでなく、媒体費と社内工数も比較の対象です。

採用代行と採用コンサルは併用できますか?

併用できます。方針の承認者、運用担当、共通の指標、改善を決める場を事前に揃えてください。1社が両方を担当する場合も、別々の会社に頼む場合も、役割分担の文書化が要点です。

採用代行に採用活動を丸投げできますか?

応募者対応や媒体運用などの実務は任せられます。採否と処遇の最終判断は自社で行います。外部が連絡や面接支援を担う範囲、連絡名義と権限は依頼前に決めてください。

支援の効果はどのくらいの期間で分かりますか?

運用の変化は支援開始後の対応状況から、採用人数の変化は選考が進んだ段階で確認します。前身部門が支援した士業の事例では、3か月の支援を経て3名を採用しました。職種と媒体に合わせて、いつ何を評価するかを依頼時に決めます。

採用担当者が兼務でも依頼できますか?

兼務の体制でも依頼範囲を検討できます。応募後の返信や日程調整など、止まっている工程が出発点です。方針も曖昧なら、作業だけを増やす前に採用要件と選考基準を整理します。

外部に依頼しても採用ノウハウは社内に残りますか?

残す成果物を契約前に決めれば、社内で使える形にできます。採用要件、求人原稿、スカウト文面、運用記録、改善履歴のうち、何を共有・引き継ぐかを確認してください。外部へ依頼するだけで自動的に蓄積されるわけではありません。

まだ課題がはっきりしない場合、何を準備すればよいですか?

資料を揃える必要はありません。分かる範囲で募集職種、採用目標、現在の媒体を伝えてください。求人原稿や選考の進捗があれば、より具体的にどの工程を見直すか整理できます。

まとめ|採用代行と採用コンサルの選び方

採用代行は運用・実行、採用コンサルは方針や仕組みの設計・改善が中心です。両方の支援範囲は重なることもあります。まず自社で決めたいことと、運用を任せたい工程を分けましょう。

自社の状況を伝える際は、この記事の役割分担表を下書きにしてください。社内で決めることと外部に任せる工程が、支援内容を比較する材料です。

募集職種と採用目標をもとに、設計と運用のどちらから始めるかを整理できます。

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佐藤日向

採用コンサルタント

佐藤 日向

経歴

大学2年生からインターンとしてキャリアをスタートし、採用業界の最前線で企業の採用成功を支援。
法人営業に転向後、未経験・微経験のエンジニアやIT業界の営業職の企業を対象に、採用プロセス全体の品質向上を行う。
単なる人材紹介にとどまらず、企業と人材のニーズに合わせた最適なマッチングを実現。

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