SES企業のRPO(採用代行)導入事例7社|任せる範囲と注意点

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SES企業がRPO(採用代行)を使うときは、媒体運用やスカウトを任せるだけでは足りません。スキルシートの見方、未経験者の育成の情報、案件の見込みを外注先と共有できるかで、結果が変わります。

この記事では、SES企業7社のRPO導入事例を、何を任せて何を自社で持ったかで整理しました。後半では、SES企業がRPOに任せるときに特に注意したい4つの点を解説します。

結論:SES企業がRPOを使うときは、スキルシートの見方、未経験者の育成、案件の見込みを外注先と共有します。面接と合否は、どの範囲で任せる場合も自社の判断です。

  • 任せる範囲は「スカウトと原稿だけ」「媒体の選定から運用まで」「採用計画と案件の見込みまで」の3つの型
  • 外注先にはスキルシートの一次整理と日程調整を任せ、合否と配属の約束は自社に残す
  • 求人では、就業場所の「変更の範囲」とIndeedの「1職種、1勤務地」に注意する

エンジニアは、求人に対して求職者が少ない職種です。情報処理・通信技術者の新規求人倍率は3.13倍で、職業計の2.06倍を上回ります。転職サービスdodaの集計では、エンジニア(IT・通信)の転職求人倍率が12.04倍でした。2つは母数が違うため、直接は比べられません。

(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」パートタイムを除く常用、2026年10月2日公表。パーソルキャリア doda「転職求人倍率レポート(データ)」2026年8月分、2026年9月17日公表。いずれも10月15日確認)

SES企業の採用が難しい理由は「SES企業の採用が難しい理由と5つの課題」で解説しています。RPOの定義や一般的な業務、メリットは「RPO(採用代行)とは」にまとめました。

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目次

SES企業のRPO導入事例|任せた範囲で見る7社

SES企業のRPO導入事例7社は、支援会社からの切り替えや創業期の立ち上げなど、導入前の状態ごとに任せる範囲が違います。下の表では、各社が任せたことと、自社で持ったことを並べました。数値は、各社の事例ページに書かれた条件のまま載せています。

企業 導入前の状態 任せたこと 自社で持ったこと 結果
株式会社YOKU様(22名)受託のフリーランス70名からSESへ転換原稿の改善、15種類のスカウト文面採用の目標人数をNicopと共有typeで6名、採用単価約15万円
株式会社ガトラボ様(18名)前の支援会社で成果が不安定4媒体の並行運用、原稿と面接の設計代表が面接に入るマイナビ転職単体で3名、採用単価28万円
株式会社フレームキャリア様(23名)創業期、他社支援で採用単価90万円媒体運用の指導、採用デザインページ採用プロセスの見直し1回の掲載で3名、採用単価30万円
株式会社レインオンファニー様(130名)人事1名、採用単価が年々上昇MVV合宿、レバテックダイレクトの運用主要媒体への出稿、人事の増員2か月で内定承諾4名
ノンズ株式会社様フリーランス20名の体制有料媒体の契約、撮影、原稿、スカウト文面―2024年6月以降に媒体経由で21名、平均承諾率80%
株式会社テクニケーション様他社代理店経由のdoda掲載typeでのスカウト活用―2021年から継続、採用単価7万円
株式会社Otaks様(78名)設立直後で、知名度がない採用コンセプトの構築、求人広告の運用代表が一次面談を行う2024年10月以降で月平均5.9名(主に経験1.5年以上)、採用単価12〜13万円

※従業員数は、事例ページに記載された時点の値です。「―」は、事例ページに記載がない項目です。期間は、事例ページに記載がある場合のみ載せています。

※掲載の事例には、株式会社Nicop設立前の支援を含みます。当時はRYOMA採用プランニング事業部(現・株式会社Nicop)が担当しました。採用単価の算出範囲は事例ごとに異なります。

ノンズ様とテクニケーション様は「SES企業のエンジニア採用方法」で紹介しています。Otaks様は「SES企業の採用が難しい理由と5つの課題」に掲載しました。SES以外の業種の導入事例は、「RPO(採用代行)とは」で取り上げています。

代理店から切り替え、原稿とスカウトを任せて採用計画も共有(株式会社YOKU様)

導入前の状態:株式会社YOKU様は、2020年9月設立、従業員22名の会社です。受託事業でフリーランス70名が稼働しており、SES事業の立ち上げにあわせてフリーランスを正社員に転換しました。兼任の担当者が、全員に同じ文面のスカウトを送っていました。

任せた範囲:別の代理店から切り替えた理由は、採用計画も含めて一貫して支援を受けられる点でした。Nicopは競合分析で「技術力」「柔軟な働き方」という強みを抜き出し、原稿に反映しました。スカウトはターゲット別に15種類の文面を用意し、再送信も使っています。

自社で持ったこと:採用の目標人数を共有し、Nicopが人事の一員として同じ目標を追う連絡体制にしました。

結果:typeで6名を採用し、採用単価は約15万円でした。今後は、地域や年齢層ごとの訴求を深めることが課題です。

SES企業が確かめたい点:代理店を替えるときは、原稿とスカウトの作業だけでなく、採用計画まで一緒に追えるかを比べます。スカウト文面の作り分けは「エンジニアのスカウトメール返信率を上げる方法」で紹介しています。

事例の詳細:SESエンジニア6名を採用単価15万円で|スカウト15種で最適化

定例を月1回から必要に応じた頻度へ。4媒体の運用を任せる(株式会社ガトラボ様)

導入前の状態:株式会社ガトラボ様は、SES事業を営む従業員18名の会社です(2025年10月時点)。同社は、前の支援会社にはSES業界への理解が足りず、運用の成果が安定しなかったと振り返っています。定例は月1回で、採用の担当は1名でした。

任せた範囲:媒体の選定から運用まで任せる型です。Nicopは4つの媒体を並行で運用し、打ち合わせを必要に応じて増やしました。媒体は、マイナビ転職、type、dodaダイレクト、女の転職typeです。媒体内で興味を示した人へ年収を示して連絡する手順も、型にしています。

自社で持ったこと:面接には代表が入り、応募者と向き合いました。

結果:媒体全体の平均採用単価は47万円で、月2〜3名のペースで採用しています。採用に関わる社内のメンバーは、1名から4名に増えました。

SES企業が確かめたい点:支援会社を替える前に、定例の頻度と、計画を下回ったときに何を変えるかの決め方を確認します。媒体ごとの使い分けは「エンジニア採用に強い媒体14選の比較」で解説しています。

事例の詳細:SES採用単価28万円を実現|マイナビ転職で3名・創業期の採用再現性

創業期に運用の進め方を教わり、自社で回す(株式会社フレームキャリア様)

導入前の状態:株式会社フレームキャリア様は、SES事業を営む従業員23名の会社です。創業当初は他社の採用支援を使い、1名あたりの採用単価は90万円でした。同業のSES経営者からの紹介で、Nicopに相談しています。

任せた範囲:作業を任せるのではなく、進め方を教わる形です。Nicopは、媒体の選び方、スカウトの方法、管理画面の設定までを指導しました。採用デザインページは、Nicopのデザイナーとカメラマンが参加して制作しています。

自社で持ったこと:依頼時に「特定職種の採用人数の増加」「採用プロセスの効率化」「質の高い人材の確保」の3つを目標にしました。採用プロセスは、Nicopの助言を受けて自社で見直しています。

結果:1回の求人掲載で3名を採用し、採用単価は30万円になりました。

SES企業が確かめたい点:日中の業務が立て込む創業期は、作業を任せるか、進め方を教わって自社で回すかを先に決めます。

事例の詳細:SES採用単価を90万→30万に|エンジニア3名を採用

主要媒体は自社で続け、新しいチャネルとKPI設計を任せる(株式会社レインオンファニー様)

導入前の状態:株式会社レインオンファニー様は、従業員130名のSES企業です(2025年10月6日時点)。2019年頃から主要な媒体に出稿してきましたが、採用単価の上昇と応募の鈍化が続いていました。人事は1名でした。

任せた範囲:新しいチャネルの運用とKPIの設計を任せる形です。Nicopは、レバテックダイレクトの提案と運用、KPI(採用の中間目標とする数値)の設計、属性別の記録を担いました。2泊3日のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)合宿も実施しています。

自社で持ったこと:主要な媒体への出稿は、支援前から自社で続けています。人事を1名から2名に増やしました。

結果:レバテックダイレクトで、2か月間に4名の内定承諾を得ました。

SES企業が確かめたい点:すでに回っている媒体まで外に出す必要はありません。社内で回らない分析と新しいチャネルから任せる方法もあります。

事例の詳細:SES採用の軸をMVV合宿で再設計|2か月で4名内定承諾

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SES企業がRPOに任せる範囲の3つの型

SES企業がRPOに任せる範囲は、社内に残る業務の量と、案件の情報を外注先と共有するかで3つの型に分かれます。上の事例の記載をもとにした、この記事での分け方です。

型 向いているSES企業の状態 任せる業務 自社に残す判断 近い事例
1. スカウトと原稿だけ媒体は決まっているが、文面と原稿に手が回らない求人原稿の改善、スカウト文面の作成と送信媒体の契約テクニケーション様
2. 媒体の選定から運用まで媒体の成果が安定せず、採用担当者が1名媒体の選定と並行運用、原稿、スカウト、日程調整予算の決裁ガトラボ様、ノンズ様
3. 採用計画と案件の見込みまで採用人数を案件の増減に合わせたい採用計画とKPIの設計、原稿・スカウトの運用案件の見込みの共有YOKU様(採用計画を含む支援)、レインオンファニー様(KPIの設計)
3つの型に共通――スキルシートの合否基準、面接・合否、配属の約束―
SES企業がRPOに任せる範囲の3つの型と、どの型でも自社に残す判断を示した図

フレームキャリア様は、運用の進め方を教わり、自社で回した例です。3つの型に共通して、スキルシートの合否基準、面接と合否、配属の約束は自社に残します。最初は1つ目の型で始め、結果を見て範囲を広げる進め方もあります。外注するかどうかの判断と費用の決まり方は「SES企業のエンジニア採用方法」で解説しました。

スキルシートと経験年数の見方を、外注先とそろえる

SESのスキルシートを外注先と読むときは、経験年数より、工程・言語と環境・役割・直近の案件で見る基準を先に渡します。スキルシートは、参画した案件ごとに、担当した工程や使った技術、期間を書いた経歴書です。参画期間の合計だけで線を引くと、経験の中身の違いが見えません。

書類の一次整理で見る項目

一次整理は、応募書類を基準に沿って分け、面接に進む人を絞る前の作業です。外注先には次の5項目を整理してもらい、判断の線は自社で決めます。

項目 外注先が整理すること 自社が決めること
担当した工程要件定義・設計・開発・テスト・運用保守のどこを担当したか求める工程の範囲
言語・フレームワーク・環境案件ごとの言語、フレームワーク、OS・DB・クラウド必須と歓迎の線引き
参画期間と案件数案件ごとの期間と、参画した案件の数期間を判断にどう使うか
役割メンバーかリーダーか、チームでの立場求める役割
直近の案件直近の案件の工程・技術・役割直近の経験をどこまで重く見るか

この5項目は、記事での整理の例です。自社の案件に合わせて、項目を足し引きしてください。

スキルシートの一次整理で見る5項目と、外注先と自社の分担を示した図

職種やスキルの呼び方には、公的な物差しもあります。IPA(情報処理推進機構)のITスキル標準(ITSS V3)と、デジタルスキル標準(DSS)が代表例です。DSSは、2026年4月にver.2.0になりました。情報処理技術者試験の区分も、知識の範囲を確かめる手がかりになります。試験制度は2027年度から見直されますが、基本情報技術者試験は続く予定です(IPA、2026年10月15日確認)。

外注先と基準をそろえるときは、工程や職種の呼び方をこれらに合わせると、言葉のずれを減らせます。

経験年数だけで線を引かない(微経験の扱い)

微経験は、実務経験が短いエンジニアを指す、採用の現場の言葉です。実務経験が短くても、テストや運用保守の工程の経験で任せられる案件があるかを確かめます。独学で作ったものや、今学んでいる技術も判断の材料です。何年以上を経験者とするかは、自社の案件の中身で決める線です。外注先には年数ではなく、「どの工程を経験していれば面接に進めるか」で基準を伝えます。

見極めの難しさは、人材会社の調査にも表れています。調査は、レバテックの「IT人材白書2026」です(2026年1月公表、10月15日確認)。システム開発関連会社の回答(87名)では、未経験者採用の課題の1位が「見極めが難しい」で、44.8%でした。

※システム開発関連会社は、SIer・SES・派遣・受託開発などを含む区分です。

合否と配属の約束は自社が持つ

外注先に任せるのは、基準表に沿った一次整理と日程調整までにします。合否の判断、配属先の説明、給与の提示は自社が持ちます。配属先や給与は入社後の約束にあたり、雇う会社が決めて伝える事項だからです。

RPO会社の中には、面接の代行まで扱う会社もあります。NicopのGrowSESでは、面接と合否は自社で持っていただく前提です。Nicopが担うのは、日程調整や面接の設計(評価基準づくりなど)までです。

未経験・微経験エンジニアの採用を任せるときに、外注先へ渡す情報

未経験・微経験エンジニアの採用を任せるなら、研修、最初の案件、配属までの期間を、求人に書ける形で渡します。外注先は、渡された情報の範囲でしか求人やスカウトを書けないからです。

異職種からITエンジニアへ実際に移る人は、転職者の中では多くありません。人材サービス会社のマイナビによる「転職動向調査2026年版(2025年実績)」では、異職種への転職は33.7%でした。一方で、ITエンジニアに移った人は、前職が営業で2.5%、管理・事務で2.4%、販売・フードで3.2%でした。対象は、2025年に転職した20〜50代の正社員1,446名です(2026年3月23日公表、10月15日確認)。

採用する側の数値も見ておきます。先のレバテックの調査では、システム開発関連会社(177名)の49.2%が未経験者を採用し、32.2%が検討中でした。同じ層を狙う会社が多いなかで、育成の中身が分からない求人は比べられたときに選ばれにくくなります。

研修・最初の案件・配属までの期間

求人に「未経験歓迎」と書くだけでは、ほかのSES企業との違いが伝わりません。外注先には、次の6つの情報を渡しておきます。

渡す情報 求人・スカウトでの書き方
研修の期間と内容入社後に何を、どれくらいの期間で学ぶか
資格の支援受験費用の補助や学習時間の扱いがあるか
最初の案件の種類と工程最初に担う工程(テスト、運用保守)
配属までの期間入社から案件に参画するまでの目安
待機中の給与の扱い案件に参画していない期間の給与
相談相手配属後に相談できる人と、話す頻度

待機は、案件に参画していない期間のことです。支援先の株式会社Stech&Co.様は、e-Learning企業と連携して、未経験者を育てる仕組みを用意しています。連携先や学習の流れも、外注先に渡す情報の1つです(事例ページより)。

学ぶ意欲をどう確かめるか(選考の設計)

未経験者の書類では、実務経験の代わりに、独学の内容と期間、資格の勉強の状況を見ます。面接で何を聞いて意欲を確かめるかは、自社で決める事項です。外注先には、評価項目づくりと日程調整を任せられます。

選考の連絡の速さも、結果を左右します。マイナビの同じ調査では、入社決定に影響した選考対応の1位が「応募・面接後の返信・対応が早い」26.1%でした。選考を辞退した理由でも、「応募後/選考後の返答がない・遅い」が14.4%ありました。兼務の担当者が返信できない時間を補うのが、外注先の一次連絡と日程調整です。

未経験と経験者で、媒体とスカウトの使い方を分ける

未経験層は求人広告型、経験者はスカウト型の媒体で探す使い分けがあります。媒体の選び方は「エンジニア採用に強い媒体14選の比較」で解説しています。スカウト文面の書き分けは「エンジニアのスカウトメール返信率を上げる方法」を参考にしてください。

案件の見込みと採用計画をつなぐ

SES企業の採用では、営業が持つ案件の見込みを外注先とも共有し、採用計画と合わせます。2つがずれると、入社後の待機や採用の機会損失につながるためです。ここでは、計画の立て方を整理しました。

営業の案件情報を、採用側にどの頻度で渡すか

採用側に渡すのは、案件の種類、必要なスキル、開始時期、人数の4つです。外注先は、この情報をもとにスカウトの対象と訴求を変える流れです。

共有する項目 外注先が変えること
案件の種類(業界、開発か運用か)スカウトで伝える仕事の内容
必要なスキル(言語・工程)スキルシートの一次整理の基準
開始時期採用の締め切りと、日程調整の優先度
人数スカウトの送信数や掲載の量

渡す頻度は、外注先との定例と同じにすると、更新が止まりにくくなります。渡す人は、営業の責任者か採用担当者のどちらかに決めておくのが基本です。

入社日と参画開始日のずれを前提に計画する

入社日と参画開始日は、同じ日になるとは限りません。研修の期間や、案件が決まるまでの期間を、採用計画に先に入れておきます。その間の給与の扱いを求人にも書いておくと、入社後の認識のずれを防げます。書き方は、上の「研修・最初の案件・配属までの期間」の表と同じです。

採用で集めたスキルシートを、案件の提案に使うときの注意

採用時に集めたスキルシートは、入社後に営業が案件の提案で使うこともあります。この扱いに触れた公式文書に、厚生労働省「37号告示に関する疑義応答集(第3集)」があります。37号告示は、労働者派遣と請負を区分する基準を定めた告示です(昭和61年労働省告示第37号)。

Q7は、発注者がスキルシートを求めること自体は、ただちに偽装請負にならないとしています。ここでいうスキルシートは、技術者のスキルや経験年数を書いたものです。偽装請負は、契約は請負や準委任でも、実態が労働者派遣にあたる状態を指します。一方で、個人を特定でき、発注者が特定の人を指名・拒否できるものは、適正な請負等と認められない、との整理です。

疑義応答集の第3集は2021年9月に公表され、2026年10月15日時点も厚生労働省のサイトに掲載されています。採用と営業で書類を共有する会社にとって、社内の扱いを決めるときの参考資料の1つです。

採用支援と案件の情報をつなぐ

採用の支援会社が持つ接点が、案件の開拓に役立った例もあります。Nicopは、モンタージュ株式会社様の採用支援とあわせて、SES企業を中心に10社以上を紹介しました(事例ページより)。この紹介は、同社の案件開拓にもつながっています。GrowSESでは、SES企業向けの交流会やイベントも定期的に開いています。

求人・スカウトで、SES特有の書き方に注意する

求人・スカウトでSES特有の書き方に注意が要るのは、就業場所と、求人検索エンジンでの勤務地の扱いです。職業安定法は、求人情報を正確で最新の内容に保つよう求めています(5条の4、2022年10月施行)。この義務は、募集を任された事業者にもかかります。外注先が原稿やスカウトを作っても、内容の最終確認は自社で行います。

就業場所の「変更の範囲」を明示する(2024年4月から)

2024年4月から、募集時に明示する労働条件に、業務と就業場所の「変更の範囲」が加わりました。有期契約の場合は、更新の基準も明示の対象です。厚生労働省のQ&Aとパンフレットには、次の内容が示されています。

  • 変更の範囲は、契約期間中に変わる見込みを含む範囲で、募集時点で想定していないものは書かなくてよい(問1-1)
  • 書面に書ききれないときは「詳細は面談時に」とし、原則、最初に接触する時点までに全条件を示す(問1-2)
  • 就業場所の限定がない場合は、「会社の定める○○」と書く方法がある
  • テレワークを行う場合は、変更の範囲を「会社の定める場所(テレワークを行う場所を含む)」と書く例がある
  • 配置転換先や在籍型出向先は変更の範囲に含み、臨時の応援・出張・研修の場所は含まない

出典:厚生労働省のQ&A(令和5年12月時点版)とパンフレット(2024年9月)(2026年10月15日確認)

SESや客先常駐を名指しした記載例は、このQ&Aとパンフレットにはありません。外注先が作った原稿でも、業務と就業場所の「変更の範囲」が書かれているかを自社で確かめます。

求人検索エンジンでは、勤務地と求人の数に注意

Indeedの掲載基準では、求人は「1職種、1勤務地」が原則です。頻繁な再掲載や、実際と違う勤務地での掲載も禁止されています(Indeed「掲載基準」、2026年10月15日確認)。SESの求人では、案件ごとに似た求人を量産していないか、勤務地が実際の就業場所と合っているかを外注先と確かめます。求人検索エンジンの運用を外注先とどう分けるかは「RPO(採用代行)とは」で解説しています。

業界イメージ(「案件ガチャ」など)への答え方は、「SES企業の採用が難しい理由と5つの課題」で紹介しました。

よくある質問

一般的なRPOと、SES企業向けのRPOは何が違いますか?

違いは、外注先と共有する情報です。SES企業がRPOに任せるときは、次の4つを外注先とそろえます。

  • スキルシートの見方(工程・言語と環境・役割・直近の案件)
  • 未経験者の研修、最初の案件、配属までの期間
  • 営業が持つ案件の見込み
  • 就業場所の「変更の範囲」と、求人検索エンジンでの勤務地

一般的なRPOの業務やメリットは、「RPO(採用代行)とは」をご覧ください。

SES企業の営業職の採用も任せられますか?

任せられます。SES企業の営業職は、顧客企業から案件を得て、エンジニアの参画を調整する仕事です。エンジニアとは伝える内容も、書類で見る経験も違うため、求人と選考基準は分けて用意します。

dodaの転職求人倍率(2026年8月)は、職種「営業」が3.14倍、業種「IT・通信」が7.47倍でした。職種別と業種別は別の集計で、2つを掛け合わせた倍率は公表されていません(2026年9月17日公表、10月15日確認)。

面接も任せられますか?

RPO会社の中には、面接の代行まで扱う会社もあります。NicopのGrowSESでは、面接と合否は自社で持っていただく前提です。Nicopは、日程調整や面接の設計(評価基準づくりなど)までを担います。この記事の事例でも、ガトラボ様は面接に代表が入りました。

他社の代理店から、途中で切り替えられますか?

切り替えられます。この記事の事例では、YOKU様が別の代理店から、ガトラボ様が前の支援会社からNicopに切り替えました。テクニケーション様も、他社の代理店経由のdoda掲載から、typeのスカウト活用に移っています。切り替える前に、今の媒体の契約期間と、送信数や応募数の記録をそろえておくと引き継ぎが進みます。

まとめ|SES企業のRPOは、スキルシート・育成・案件の情報を共有して任せる

  • SES企業のRPO導入事例7社は、導入前の状態ごとに任せる範囲が違う
  • 任せる範囲は3つの型で、どの型でも面接・合否と配属の約束は自社が持つ
  • 外注先にはスキルシートの見方、育成、案件の見込みを渡し、求人の記載は自社で確かめる

SES企業がRPOを使うときは、任せる業務と同じくらい、外注先に渡す情報が結果を左右します。

NicopのGrowSESは、SES企業に特化した採用支援サービスです。支援実績は120社以上で、RYOMA採用プランニング事業部で提供していた時期から現在までの累計です。元SES事業5年以上の経営者・人事が顧問・講師として担当者を教育し、最終試験に合格した担当者が支援に入ります。

30分の無料相談では、今の採用の進め方を伺い、どの型で任せるか、外注先に何を渡すかを一緒に整理します。現在のスカウトや媒体の運用で困っていることを、まず聞かせてください。

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佐藤日向

採用コンサルタント

佐藤 日向

経歴

大学2年生からインターンとしてキャリアをスタートし、採用業界の最前線で企業の採用成功を支援。
法人営業に転向後、未経験・微経験のエンジニアやIT業界の営業職の企業を対象に、採用プロセス全体の品質向上を行う。
単なる人材紹介にとどまらず、企業と人材のニーズに合わせた最適なマッチングを実現。

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